三種混合
3つの病気(ジフテリア、百日咳、破傷風)に対するワクチンが一緒になったもので、1回の接種では十分な免疫ができないため初回3回+追加1回の接種を行います。
赤ちゃん時代に基礎免疫をつくっておけば、一定の年数をおいて追加接種することで免疫力を維持することが可能です。
病気の説明
ジフテリア
ジフテリア菌の飛沫感染によって発症する病気です。
高熱や喉の痛み、咳などが起こり「偽膜」とよばれる膜ができて窒息することもあります。発病から2~3週間後には菌の出す毒素によって、心筋障害や神経マヒを起こすことも。
日本での患者数は激減しましたが、近隣諸国では未だに多くみられます。
百日咳
百日咳菌の飛沫感染によって発症する病気です。
風邪のような症状ではじまり、続いて咳がひどくなります。乳幼児は咳で呼吸ができず、チアノーゼやけいれんが起こることもあります。
破傷風
土の中にいる破傷風菌が傷口から侵入し感染、発症する病気です。
さまざまな神経症状(けいれんや手足の硬直、呼吸マヒなど)があらわれ、発病者の約2割が命を落とすといいます。
東南アジアではまだ多いのですが、日本の土中にも破傷風菌はいるので、いつ起こってもおかしくはないでしょう。
使用ワクチンと摂取
ジフテリア菌と破傷風菌が生じる毒素を取り出し無毒化した「トキソイド」と、百日咳の病原体を消滅させて免疫成分だけを取り出した「不活化ワクチン」を混ぜ合わせたものを皮下注射します。
理想の接種年齢は1期初回接種が生後3ヶ月~1歳までに3回(3~8週おき)。
1期追加接種は初回接種後1年~1年半後に1回、2期は小学校6年時となっています。
副反応
熱が出ることはほとんどありませんが、注射の跡が赤くなったり、腫れたり、しこりになることがあります。
ごく稀に肩から肘まで腫れることもありますが、軽いものであれば3~4日で消失するでしょう。
腫れの範囲が尋常じゃなかったり熱を持っていたりしたら、医師に相談してください。
なお、腫れているときは冷湿布をすると楽になります。
注意点
百日咳に関してはママから免疫がもらえないので、三種混合を受ける前に患ってしまったら二種混合を受けましょう。
この際、接種回数は三種混合よりも1回少なくなります。
生ワクチンの接種後は4週間以上間を空けないといけないので注意してください。
これって大丈夫?
三種混合(1期)の通常接種が行われている年齢は初回が生後3ヶ月~1歳、追加が1歳半~2歳半となっています。
免疫力の弱い赤ちゃんを病気から防ぐという予防接種の目的やスケジュールを組む上で、この時期が最も望ましいのは確かです。
しかし、これはあくまで1つの目安。法律上、接種は3ヶ月~7歳半までの期間中はいつでも受けられることになっています。
1歳を過ぎてからでも十分間に合うので、焦らずじっくり計画を立てていきましょう。
初めての予防接種
ここでは接種会場(病院など)についてから接種後のこと
まで、当日の流れを詳しく紹介しています。
初めてのママもその場にいるつもりで読んでみてください。
検診と問診
まず接種のために体温を測り、予診票に記入します。
見ながら問診し、赤ちゃんの体調に問題がないようであれば接種OKサインを出します。
予診表にサインする
赤ちゃんがこの予防接種を受けることに同意します。というサインを保護者(パパやママ)が記入します。
摂 取
消毒してもらったら、上腕に注射します。この際、注射を打つほうの腕を前に出し、脇と反対の腕をしっかり押さえましょう。
三種混合で初回接種の場合、1回目が右腕だったら2回目は逆、というように交互に注射します。
多少の痛みはありますが、赤ちゃんにできるだけ不安を感じさせないようママはリラックスしてください。
摂 取 後
三種混合の接種跡が赤くなったり、腫れたりするのはワクチンに含まれる保存剤が原因ではないかと考えられています。
皮下に注射されたワクチンがしっかり拡散するよう、5分くらいそっと揉んであげましょう。